トルコ・イスタンブールからお届けする、ベリーダンスな毎日のあれこれ。

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2013年6月 今トルコで起こっていること その1

いつもはおちゃらけダンスブログですが、2013年6月現在、トルコで起こっていることがあまりにも日本で報道されていないので、少しまとめてみたいと思います。
なお、筆者は政治の専門家でも歴史の専門家でもありませんし、特定の政治団体や宗教を支持信奉していません。
ですが、民意を得ずに国家理念を勝手にねじまげた政策をとっている現政権のやり方を正しいとは思っていないので、批判的な発言になるであろうことは、予めお断りしておきます。
また、普段はイスタンブルで暮らしていますが、現在は東京滞在中ですので、現場からの実体験レポートでもありません。

これから記載することは、現在進行形で起こっている事態をきちんと理解したいと思い、本やネットで調べ学んだことを、自分のメモとしてまとめ、読者のみなさんとシェアするためのものです。
「勉強の場」ですので、記載事項に誤りがある場合には、コメントいただければ幸いです。修正します。


【どうしてTaksim Gezi Parkıなんだろう?】

イスタンブール新市街の中心、タクシム広場に続く緑の公園。それがタクシム・ゲジ・パルク。噴水や花壇もあり、春から夏は緑の木陰が気持ちのよい、いかにも都心部の公園らしい場所。

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普段の公園風景

現在イスタンブールは都市再開発計画がすすめられており、その一環として、タクシム中心部の車道を地下道路化し、現在は道路と公園になっている地上部分の大規模開発がすでに着工しています。もう半年ぐらいでしょうか、タクシムはあちこちで道路が閉鎖され、工事が昼夜続いています。

この開発に反対する人々が「公園を守ろう!」と立ちあがったのが、デモの発端。 
でも、、、公園の木を守るためだけに、トルコ全土を巻き込んだ現在の非常事態になっているって、不思議でしょう? その理由を理解するためには歴史的な背景の理解が必要なようです。

まず、大前提として、トルコ共和国は「政教分離」(国民の多くがイスラム教徒ではあるが、国家の政策自体に宗教は持ち込まないという、近代化と民主化のために建国の父アタトュルクが立てた方針)を国是とする国だということ。しかしながら、現在の政府AKPは、明らかに親イスラム的な政策をうちだし続け、国是をないがしろにする政治に国民の不満がくすぶっていました。
公共の場でのスカーフ着用解禁の件は、トルコ好きの方ならご存知でしょうし、最近では夜10時~朝6時まで酒類販売を禁止する法案が可決されたこともあって、たまたまその不満が爆発したタイミングが今回の公園デモ、、、なのかとと思っていたのですが、どうやら「この公園であること」に意味があるようなのです。

まずは歴史的背景をみてみましょう。現在公園のある場所は、トルコ共和国建国への第一歩となった青年トルコ革命(1908年)の時期に、保守派による反革命クーデター(つまり、革命やだ、オスマン朝のままがいい!という人達)が起こした1909年3月31日事件の舞台となりました。 ここにはかつて軍の官舎があり、クーデター時に打撃を受けます。この反革命クーデターは、アタトュルクを含む鎮圧部隊によって制圧され、オスマン朝打倒の革命は継続されていきます。 その後共和国が樹立されてから、跡地は公園としてアタトュルクによって再開発されます。

その、アタトュルクと共和国制に所縁のある場所を、現在AKPのエルドアン首相はこわし整備して、当時の官舎のモニュメントを含む再開発建設を推進しました。

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こうなるらしい。左手(後方)には公園が残っているように見える

この再開発の内容は、高級レジデンスを含む商業施設ということですが、文化施設という説もあり、なにせ、市の広報サイトにも内容が記載されていないため(上のイメージ図はネットで拾ってきた)、詳細は確認できませんでした。この官舎自体は、建築学的には価値のあるものらしいのですが、上記のような背景から、単に「歴史的モニュメントのレプリカ」とは考えられなくても、無理はないと思います。

また、最近イスタンブルにいらっしゃった方はお気づきと思いますが、街中にやたらとショッピングセンターが建築中です。タクシムでも、くだんの公園から遠くない、ロマや中流階級以下の住民の多い古い地域が、大規模な区画整備と新たなショッピングセンターの建設で着工したばかり。

これ以上、しかも新市街の中心にショッピングセンターいらない、、、と街の人々が思うのはあたりまえ。


それだけではありません。
先にもふれましたが、つい最近、夜10時~朝6時までの酒類販売の禁止法案が可決されたこともあります。こちらは普段の生活に直結するハナシ。首相の「トルコ国民の愛飲料は、アイラン」の発言を受け、トルコの有名ビールEFESマークのアイラン(あるわけない)のデザインまでネットで流れていました。

さらには、現在計画が進んでいるボスポラス第三大橋の名前が、Yavuz Sultan に決まったそうで、このスルタン、西アジアを征服しオスマン朝を確立した、オスマン朝の立役者的なスルタン。

「実はオスマン朝を復興したいんじゃ」と揶揄される現政権ですが、こんなことばかりたてつづけにしていれば揶揄が危惧となり、「コイツら本気なのか?!」と国民が本気で不安に思うのもあたりまえ。

当初は、公園の緑を守るための穏健な座り込みとデモだったはずが、警官隊の出動、催涙ガスや水砲による行きすぎた威嚇行動を目の当たりにして、「いいかげんにしておけ!」と国民の不満がついに爆発した、という解釈が妥当だと思います。

単に「緑を守れ」というグリーンピースなだけのデモではないこと、トルコ国民が何に対して立ちあがったのかを私達も知っていることに意味があると思い、まずは背景からスタートです。


(続く)








テーマ : トルコ    ジャンル : 海外情報
  1. エキゾチックが素敵なイスタンブール
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プロフィール

Yoko

Author:Yoko
Yoko of Istanbulだったり、
クラリチェ洋子だったりもします。
踊ったり、書いたり、たくらんだり、毎日意外と忙しい。

【著書】

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